ベネチアのおみやげ:揃えるか、諦めるか
ダイスを振って、ゴンドラを進める。止まった先で、近くのタイルをそっとめくる。ベネチアングラス、イカスミパスタ、ベネチアンマスク。気になるおみやげが見えてくる。だがタイルがすべて表になれば飛行機は離陸する。買い集める時間も、空港に戻る時間も、刻一刻と削られていく。
3つ揃わなければ、マイナス
このゲームのおみやげは、同じ種類を3枚集めて初めて得点になる。1枚や2枚で終わったタイルは、そのままマイナス点だ。だから「あと1枚で揃う」状態は希望でもあり、危険でもある。揃えば大きな得点、揃わなければ自分の手元で重りに変わる。レアなおみやげほど得点は高いが、その分タイルの枚数は少ない。狙うほど、揃え切れない確率も上がる。
空港に戻る時間も、計算に入る
すべてのタイルが表になるか、全員が空港に戻った瞬間にゲームは終わる。買い集めることに夢中になっていると、戻る道のりが間に合わなくなる。間に合わなければ、どれだけおみやげを抱えていてもその時点で敗北だ。海底探検と同じ匂いがする。あと1枚、もう1手番、と思っているうちに、引き返す距離は確実に伸びていく。
こっそり買いと、オープン買い
止まった場所の四方にあるタイルは、自分だけが裏から覗いて買うことができる。買えば裏向きのまま手元に置く。買わずに過ぎれば、見たものは自分の頭の中にだけ残る。すでに表になっているタイルは誰でも買える。情報の出し方が、そのまま駆け引きになる。覗いた瞬間に「これだ」と思っても、すぐに買えば手の内を晒すことになる。何を集めているか悟られないために、わざと買わないこともある。
おじさんとハト
タイルの中にハトのエサ売りおじさんが紛れている。めくられた瞬間、全員が手持ちのタイルから1枚を左隣に渡す。揃いかけのおみやげが、ここで容赦なく流れていく。ハトも同じだ。おじさんがすでに出ていれば、ハトも全員のタイルを左に流す。集めているほど、被害も大きくなる。
売る、という選択
揃いそうにないおみやげは、場に戻して売ることができる。お金チップが戻り、タイルは裏に戻る。タイルが裏に戻れば、その分ゲームの終わりも少しだけ遠のく。延命と仕切り直しが同時に手に入る。「あと1枚」を信じて抱え続けるか、いったん手放して別の組み合わせを狙うか。さっきまで「絶対に揃える」と言っていた自分が、3手番後には「もう売るしかない」とつぶやいている。
急ぐほど、欲が出る
飛行機の時間が迫るほど、不思議と一枚多く欲しくなる。あと1マスだけ、あと1めくりだけ。そうして気づくと空港との距離が伸びている。30万部発行の『海底探検』を作ったデザイナーコンビが、10年ぶりに同じ手触りの選択を別の街に持ち込んだ。観光客の顔をして、本気で焦らされる30分だ。
こんな人におすすめ
- 短時間で手応えのあるゲームを遊びたい
- 海底探検が好き
- セットコレクションの悩ましさを味わいたい
- 家族で気軽に遊べるゲームを探している
- コンポーネントの可愛らしさも楽しみたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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