ラー:全部見えているのに、読めない。

ラー:全部見えているのに、読めない。

2〜5人 約45〜60分 12歳以上 対戦

袋の中に手を入れて、タイルを1枚引く。それをボードの上に並べる。ファラオかもしれない。ナイルの恵みかもしれない。災厄かもしれない。何が出るかは分からない。でも、それを並べていくうちに場は少しずつ豊かになり、あるいは危険になり、そのうち誰かが声を上げる。「ラー!」——競りが、始まる。

誰がいくら持っているか、全員が知っている

このゲームの競りには、普通の競りと決定的に違うところがある。

使う「お金」は太陽チップと呼ばれる、1〜16の数字が書かれたチップだ。そして各プレイヤーの手元のチップは、数字を見せた状態で置かれる。つまり全員の手持ちが最初から公開されている。誰が最大で何点を出せるのか、テーブルを見渡せば分かってしまう。

これが、競りの性質をがらりと変える。「相手がいくら出してくるか分からない」という緊張ではなく、「この相場なら相手は無理して入ってこないはずだ」という計算と読み合いになる。情報が公開されているのに、それでも読めない。

勝ったら、チップを交換する

太陽チップには、もう一つの仕掛けがある。競りに勝って落札すると、自分が使った太陽チップはボードの中央に置かれ、代わりに中央にあったチップを受け取る。お金を使うと、また別のお金が手元に来る。

問題は、このチップの数字がそのまま次のラウンドに引き継がれることだ。今のラウンドで強いチップを使えば、次のラウンドでは弱いチップしか持てないかもしれない。逆に、今回は弱いチップで落札しても、次に大きい数字を持てる可能性がある。タイルの価値だけでなく、次のラウンドのことまで頭に入れながら入札額を決める必要がある。

ラウンドは、突然終わる

袋の中にはタイルとともに「ラー」タイルが混入している。これが引かれるたびに、ボードのラートラックが埋まっていく。トラックが満杯になった瞬間、そのラウンドは強制終了だ。

怖いのは、いつ終わるかが誰にも分からないことだ。まだタイルを引ける余裕があると思っていたのに、ラーが続けて出て突然終わる。競り回数を使い切れなかったプレイヤーは、ただそれを見守るしかない。タイルをもっと集めたいのに、ラーが出るたびに時計の針が進む感覚。この焦りと我慢が、ゲーム全体を通じてついてまわる。

何を集めるか、ラウンドごとに違う

タイルには種類があり、得点のルールもそれぞれ異なる。ファラオは最も多く持っているプレイヤーが得をして、最も少ないプレイヤーが損をする。文明タイルは3種類以上集めると得点になるが、1枚も持っていないとマイナスになる。モニュメントは3ラウンドを通じて積み上がり、最終的にセットが完成すれば大きな得点になる。ナイルは洪水タイルとセットで点数になるが、洪水なしでは無得点だ。

どれを狙うかは状況と場に出ているタイルによって変わる。計画通りには集まらないし、欲しいタイルが場に揃ったタイミングで、誰かが「ラー!」と叫ぶ。

「ラー!」と叫ぶタイミング

プレイヤーはタイルを引く代わりに、自分から「ラー」宣言をして競りを始めることもできる。これが単なるルールの一つではなく、駆け引きの核心になる。

場に有利なタイルが揃ったとき、競りを始めれば全員が獲得を狙う。でも自分が弱いチップしか持っていないなら、宣言して他の人の強いチップを使わせ、消耗させることもできる。逆に場に大したタイルがないとき、あえて宣言して弱いチップで場のチップを吸い上げる手もある。「ラー!」の一言がどのタイミングで誰から飛び出すかで、ラウンドの流れが変わる。

遊び込むほど、見えてくるもの

初めて遊ぶと、タイルの種類の多さに戸惑うかもしれない。でも実際に動かし始めると、ルール自体はすぐに馴染む。やることは「タイルを引くか、競りを始めるか」のどちらかだけだ。

何度か遊ぶうちに、太陽チップの価値が時間軸で変わること、ラウンド終了のタイミングをどう読むかが勝負に直結することが見えてくる。シンプルな構造の中に、ちゃんと深さがある。

こんな人におすすめ

  • 競りゲームが好き、または気になっている
  • 心理戦・読み合いを楽しみたい
  • 運と判断が組み合わさったゲームがしたい
  • エジプトの世界観やコンポーネントが気になる
  • 多人数で盛り上がれるゲームを探している


このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

ランビーフィッシュ

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