ニダヴェリア:勝つために、譲る
酒場に、ドワーフたちが並んでいる。戦士、狩人、鉱夫、鍛冶屋、探検家。プレイヤーはこの中から屈強な師団を編成し、邪竜ファフニルの討伐に向かう。テーマは勇ましい。でも実際に卓上で起きているのは、5枚のコインをどう使うかという、静かな駆け引きだ。
5枚のコインで、競り合う
0、2、3、4、5。数字の書かれたコインが、最初に配られる。これで酒場に並ぶドワーフを競り落とすことになる。
場には3つの酒場があり、それぞれに人数分のカードが並ぶ。3つの酒場に1枚ずつ、コインを伏せて置いていく。全員が置き終わったら一斉に開き、高い数字を出した者から順にドワーフを選ぶ。単純な入札のようでいて、5枚しかないコインをどこに配分するかが悩ましい。
0を置くと、コインが育つ
弱いはずの0のコインが、このゲームでは特別な役割を持っている。
どこかの酒場に0を置いたプレイヤーは、コイン鋳造所を使える。使わなかった2枚のコインのうち、値の大きい方を、2枚の合計値のコインと交換できる。手元に2と5が残っていたなら、5を捨てて7を1枚受け取る。手持ちは相変わらず5枚。でも中身が、少し強くなる。
だから0は「弱くて困る」コインではない。むしろ、置きどころを考える一枚になる。強いドワーフを取りに行く酒場と、あえて負けて成長を選ぶ酒場を、同じ手番の中で組み合わせる。
譲るか、取るか
コインが育てば、次のラウンドから競りに勝ちやすくなる。だから序盤ほど育てておきたい。でも欲しいドワーフを見送り続ければ、他のプレイヤーに先に集められてしまう。
勝つために譲る。取るために我慢する。この配分をラウンドごとに組み直す感覚が、ゲーム全体を貫いている。
5色のドワーフ、それぞれの勝ち方
戦士は戦士で。狩人は狩人で。集めるドワーフは5色に分かれていて、色ごとに得点の伸び方が違う。同じ色を揃えるほど加速する色もあれば、1体ごとに手堅く点になる色もある。
この違いのおかげで、序盤にどの色が場に出るかで戦略が変わる。狙っていた色が続けて出ないとき、思い切って別の色に切り替えるか、それでも粘るか。相手が何を集めているかも、自然と目に入ってくる。
同じ色を揃えると、英雄が加わる
各色を1体ずつ揃えると、英雄カードが1枚もらえる。2体ずつ揃えれば2枚目、3体ずつなら3枚目。強力な効果を持つカードが、集めた分だけ手に入る仕組みだ。
だから序盤に競り負けた色も、追いかけて揃えれば大きな見返りになる。負けたラウンドが、後から効いてくる。
終わってみると、コインが変わっている
ゲームが終わって手元のコインを見ると、最初の0・2・3・4・5とはずいぶん違う数字が並んでいる。あの時0を置いた判断、あの時5で押し切った判断が、そのままコインに刻まれている。
師団の強さを競うゲームでありながら、印象に残るのはコインの育ち方だ。譲ることが勝ちにつながる感覚が、遊ぶたびに少しずつ手に馴染んでくる。
こんな人におすすめ
- 競りゲームが好き
- シンプルなルールで悩ましいゲームがしたい
- コインを育てながら遊ぶ感覚を短時間で味わいたい
- 2〜5人と幅広く遊べるゲームを探している
- テーマもコンポーネントも楽しめるゲームがしたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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