マリーキュリー キュリー夫人の軌跡を辿って:落としたキューブは、返ってこない

マリーキュリー キュリー夫人の軌跡を辿って:落としたキューブは、返ってこない

2〜4人 約30分 10歳以上 対戦

金色の塔に、キューブを落とす。カラカラと音がして、出てきたのは2個。あれ、3個入れたのに。塔の中をのぞき込んでも、キューブは出てこない。わかっていても、のぞき込む。このゲームの時間の何割かは、この塔とのつきあいでできている。

偉大な科学者の、人生を辿る

テーマはマリー・キュリーの研究人生だ。ボードには彼女の生涯から節目となる出来事が年表として並び、ゲームはこの年表に沿って進んでいく。プレイヤーは鉱石を集め、実験を重ね、研究成果を積み上げながら、二度のノーベル賞に至る道のりを追体験する。年表が終わりに着いたら、ゲームも終わる。歴史が、そのまま砂時計になっている。

塔の中で、時間が止まる

手番のはじめに、決められた数のキューブを塔に落とす。ただの筒ではない。内部に網が張られていて、落としたキューブを途中で捕まえてしまう。出てくる数は落とした数と一致しないし、前の手番で誰かが落としたキューブが、いまごろ転がり出てくることもある。自分の資源なのに、いつ手元に届くかわからない。この不確かさが、計画に絶妙な揺らぎを与えてくる。

集めた鉱石で、実験を進める

出てきたキューブは鉱石だ。これを使って実験のカードを獲得したり、研究の成果を得たりしていく。ビーカーやフラスコを集めれば持てる鉱石が増え、揃えれば得点にもなる。やることは多くない。集めて、使う。その繰り返しの中で、年表の出来事が資源をくれたり、交換の機会をくれたりする。

たった1点が、勝敗を分ける

このゲーム、得点がなかなか伸びない。1点、また1点と細かく積み上げていく設計になっていて、その一つひとつが勝敗に直結する。だから接戦になりやすく、同点もめずらしくない。そのとき勝敗を決めるのは、手元に残った鉱石だ。ラジウムを多く持つ者が勝つ。塔に翻弄されながらも最後に貴重な鉱石を握っていた者が笑う、という決着がテーマと美しく噛み合っている。

相手の動きも、見えている

場に並ぶカードは早い者勝ちだ。相手が狙っていそうなカードを先に取るか、自分の目標に走るか。塔に入っていくキューブを数えていれば、次に何が出てきやすいかの見当もつく。静かなゲームに見えて、視線はずっとテーブルの全体を泳いでいる。

遊び終わると、伝記が読みたくなる

箱にはキュリーの生涯を紹介する冊子が同梱されていて、これがしっかり読ませる作りになっている。遊ぶほどに年表の出来事が頭に入り、いつのまにか一人の科学者の人生に詳しくなっている。ゲームで人物を知る、という体験を丁寧に形にした作品だ。

こんな人におすすめ

  • 家族で楽しめるゲームを探している
  • 偉人や科学の話が好き
  • 運と計画のバランスがあるゲームが好き
  • コンポーネントの仕掛けにわくわくする
  • 接戦の緊張感を味わいたい

このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

ランビーフィッシュ

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