キングドミノ:その一枚が、次の選択を奪う。
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タイルを1枚、選ぶ。森にするか、湖にするか。あるいは鉱山か。欲しいものは決まっている。ただ、それを取った瞬間に、次の番が遅くなることも分かっている。キングドミノは、小さな王国を作り上げるゲームだ。だが実際に遊び始めると、1手ごとに「今を取るか、次を守るか」という判断が静かに積み重なっていく。
5×5マスに、王国を作る
各プレイヤーはお城のタイルから始め、そこに地形タイルをつなげて王国を広げていく。タイルは1枚で2マス分。同じ地形の辺が接するように置くルールで、まるでパズルのようにピースをはめていく感覚だ。ただし王国は5×5マスの範囲に収めなければならない。はみ出したタイルは捨てることになる。この制約が、ゲームをただの「並べ物」にしない。どこに広げるか、どの方向を残しておくか。タイルを1枚置くたびに、王国の未来が少しずつ決まっていく。
良いタイルを取ると、番が遅くなる
このゲームで最も頭を使う場面が、タイルの選択だ。
各ラウンドでは、数枚のタイルが数字の小さい順に並べられる。小さい数字ほど価値が低く、大きい数字ほど王冠が多くついている。王冠は得点に直結するから、当然大きい数字のタイルが欲しくなる。ところがここに逆転がある——大きい数字のタイルを取ったプレイヤーは、次のラウンドで番が遅くなる。一方、価値の低いタイルを選んだプレイヤーは、次のラウンドで先に動ける。得点を追えば次が遠くなり、次を守れば今が犠牲になる。この構造が、15分の間ずっとついてまわる。
得点は、広さ×王冠
得点の計算はシンプルだ。つながった同じ地形のマス数に、その地形にある王冠の数をかけた値が得点になる。10マスの湖に王冠が2つなら20点、3マスの鉱山に王冠が3つなら9点。広く伸ばすか、王冠を集中させるか。どちらか一方では足りない。地形を広げても王冠がなければ得点はゼロになるし、王冠があっても孤立したマスでは伸びが小さい。地形の広がりと王冠の配置が噛み合ったとき、得点は一気に跳ね上がる。
相手のタイルが、自分の計画を変える
自分の王国を考えながら、横目で相手のタイル選択も見ることになる。ねらっていた湿地タイルを先に取られると、次の選択肢が変わる。今の王国の形に合わないタイルばかり残っていて、妥協するか番を犠牲にして別のラウンドに賭けるか。完全に独立したパズルに見えて、相手の動きが確実に自分の判断に影響する。特に同じ地形を集めている相手がいると、王冠付きタイルをめぐる静かな争いが始まる。
王国の形が、だんだん見えてくる
序盤は何でも置ける。でも中盤になってくると、王国の輪郭が固まってきて、置けるタイルが限られてくる。5×5という制約の中で、どの方向にどの地形を配置するか、早めに見通しを立てておかないと終盤に置き場所がなくなる。取ったタイルを捨てる羽目になったとき、その惜しさは本物だ。終わったあとに「こう置けばよかった」と思う場面が必ず出てくる。それがまた、もう一度遊びたくなる理由になる。
遊ぶほど、選択の意味が変わってくる
最初は「なんとなく地形をつなげる」だけで終わることが多い。でも何度か遊ぶと、どの地形を優先するか、どのタイミングで番順を犠牲にするか、少しずつ読む力がついてくる。上達している感覚があり、次はもう少しうまくやれそうだと思えるゲームは、繰り返し遊びたくなる。ブルーノ・カタラが2016年に発表したこの作品が、ドイツ年間ゲーム大賞を受賞して今も定番として残り続けているのは、そういう理由からだと思う。
こんな人におすすめ
- パズルゲームが好き
- 短時間でしっかり遊びたい
- 子どもと一緒に楽しみたい(8歳以上)
- 「簡単そうなのに、何度も遊んでしまう」ゲームを探している
- ボードゲームをはじめて買う
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