パッチワーク:かわいくて、判断が重い
箱を開けると、色とりどりの布地タイルが出てくる。テトリスのブロックのような形をした、どれもかわいらしいデザインのタイル。テーマは布を縫い合わせてキルトを作ること。見た目はほのぼのとしている。でも実際に遊び始めると、1手ごとに頭を使う場面が続く。かわいい見た目に反して、判断はずっと重い。
9×9マスを、埋めていく
各プレイヤーは9×9マスの個人ボードを持ち、布地タイルを買って敷き詰めていく。ゲーム終了時に手持ちのボタン(お金)の枚数が得点になるが、埋まっていないマスは1マスにつき2点のマイナスになる。
だからきれいに埋めることが大切だが、タイルはそれぞれ形が違う。うまく組み合わせないと隙間が残る。パズルとして考えると、思いのほか難しい。
手番は「遅れている方」が動く
このゲームの最大の特徴は、ターン制ではないことだ。
時間ボードという共通のトラックがあり、自分のコマが相手のコマより後ろにある間は自分の手番が続く。タイルを買うと、そのタイルに書かれた時間の分だけコマが進む。時間のかかるタイルを買うと、相手に連続して手番を渡すことになる。
どのタイルを買うかは、パズルとしての相性だけでなく、手番の流れにも影響する。安いタイルを買って手番を多く取るか、コストの高いタイルを買って自分のボードを効率よく埋めるか。この選択が、ゲーム全体を通じてついてまわる。
コインと時間の、やりくり
タイルを買うにはボタン(コイン)が必要だ。ボタンはタイムトラックの特定のマスを通過するたびに、自分のボードに置いたタイルのボタン数分だけ収入として得られる。つまり、ボタン収入の多いタイルを早めに揃えるほど、後半に使えるお金が増える。
でもそういうタイルは往々にして形が複雑で、ボードに置くのが難しい。お金を優先するか、形の収まりを優先するか——どちらかを取るともう一方が犠牲になりやすい。
相手のボードも、気になる
自分のパズルに集中しながら、相手のボードもちらちらと確認したくなる。欲しいタイルを先に取られる前に動くべきか。相手がどのくらい埋まっているかを見ながら、残りの手番で何ができるかを計算する。
完全に独立したパズルのように見えて、相手の動きが自分の選択に影響してくる。この微妙なインタラクションが、ゲームをより悩ましくしている。
タイムボード上の小さな争奪戦
タイムトラックには、通過した人が先取りできる1×1の特殊タイルが5枚置かれている。小さい隙間を埋めるのに重宝するこのタイルをめぐって、どちらが先に通過するかという小さな駆け引きも生まれる。
大きな勝負の中に、こうした細かい争いが埋め込まれているのがこのゲームのうまいところだ。
遊ぶほど、うまくなる
最初は「とにかくタイルを置く」だけで精一杯かもしれない。でも何度か遊ぶうちに、ボタン収入を意識した動き方、手番の流れの読み方、相手が取りそうなタイルを先に押さえる判断が少しずつできるようになってくる。上達していく感覚があるゲームは、繰り返し遊びたくなる。
パッチワークはまさにそういう作品だ。ウヴェ・ローゼンベルクが2014年に発表したこのゲームが、今も2人用の定番として語り継がれているのは、そうした理由からだと思う。
こんな人におすすめ
- パズル要素のあるゲームが好き
- 2人でじっくり考えながら遊びたい
- かわいいコンポーネントのゲームが好き
- 短めの時間でしっかり遊べる作品を探している
- 繰り返し遊ぶほど上達するゲームが好き
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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