クマ牧場:広げるか、完成させるか。
箱を開けると、クマやパンダのイラストが入った色とりどりのタイルが出てくる。テーマはクマ牧場の建設。見た目はほのぼのとしていて、ルールもシンプルだ。でも遊び始めると、すぐに気づく。どこにタイルを置くかという判断が、思いのほか悩ましい。
置くだけ、のはずが
各プレイヤーは自分の用地ボードを持ち、手持ちのタイルを1枚置くだけが基本の手番だ。タイルはテトリスのブロックのような形をしていて、ボードの空きマスに自由に回転・反転させて配置できる。ルールはそれだけ。なのに、毎手番ちゃんと悩む。
踏むと、もらえる
用地ボードには、ショベルカーや手押し車などのアイコンが描かれたマスがある。タイルを置いたときにそのアイコンを覆うと、新しいタイルを1枚もらえる。アイコンの種類によって得られるタイルが変わる。小さな緑地タイル、得点になるクマの家タイル、最大サイズのクマの囲いタイル。ボードにはアイコンが複数描かれているため、置き方次第で一度に複数のアイコンを踏むこともある。手持ちがどんどん増えていく感覚は、このゲームならではの手触りだ。
早取りの誘惑
クマの家タイルは4種類あり、それぞれ複数枚用意されている。ただし同じ種類でも早く取るほど点数が高く、後になるほど下がっていく。序盤に取れた1枚と、終盤に取った1枚では得点が違う。だから高得点のタイルが残っているうちに、ミキサー車のアイコンを踏んでおきたい。
広げるか、完成させるか
ここにこのゲームの核心がある。用地ボードは最大4枚まで広げられる。ボードを広げるほどアイコンの数が増え、クマの家タイルを早取りできる機会が増える。しかしボードが増えれば増えるほど、1枚を埋め切るのに時間がかかる。用地ボードを1枚完成させたプレイヤーはクマの像を取得でき、これも先着順で高得点になる。広げて高得点タイルを稼ぐか、絞って早くボードを完成させるか。どちらかを優先すると、もう一方が遅れる。この選択が、ゲーム全体を通じてついてまわる。
相手のボードが、気になる
自分のパズルに集中しながら、相手の用地ボードもちらちら確認したくなる。狙っていたクマの家タイルを先に取られれば、残りは得点の低い枚数になる。相手が着々とボードを完成させていれば、クマの像の高得点枠が埋まっていく。完全に独立したパズルのようで、相手の進み具合が自分の判断に影響してくる。
遊ぶほど、読み合いが深くなる
最初は「とにかくタイルを置く」で精一杯かもしれない。何度か遊ぶうちに、どこでボードを広げるか、どのアイコンを優先して踏むか、相手より先にどのタイルを押さえるか、判断の精度が上がっていく。かわいい見た目に反して、考えることは尽きない。フィル・ウォーカー=ハーディングが2017年に発表したこのゲームが、ファミリーゲームの定番として長く遊ばれているのは、そういう理由からだと思う。
こんな人におすすめ
- パズルが好き
- 家族や友人と気軽に遊べるゲームを探している
- シンプルなルールで戦略を楽しみたい
- 2〜4人で遊べる作品を探している
- かわいいテーマのゲームが好き
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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