ジャスト・ワン:親切なほど、裏目に出る。
全員がイーゼルにペンを走らせる。一言だけ書く。誰にも見せずに、伏せて待つ。「桃太郎」というお題に「鬼」と書いた。完璧なヒントだと思った。でも蓋を開けると、もう1人が同じ言葉を書いていた。鬼は消える。キビ団子も2人が書いていて、消える。回答者のもとに届くのは、「日本」と「犬」だけだった。
親切なヒントが、消えていく
このゲームには、残酷なルールがある。全員が書いたヒントを並べたとき、同じ言葉があれば、そのヒントはすべて回答者に見せることができない。完全に一致している必要はない。表記が揺れていても、同じ内容とみなされれば消える。誰もが真っ先に思いつく王道のヒントは、高い確率で消えていく。協力しているはずなのに、助けようとするほど足を引っ張り合う。
相談は、できない
ヒントを考えている間、全員が黙っている。他の人が何を書くかわからないまま、一人で判断するしかない。「これを書けば当たるかもしれない」「でも絶対に被る」。そのせめぎ合いが、ペンを握ったまま止まらせる。協力ゲームに分類されるのに、ヒントを書く瞬間だけは完全に孤独だ。
「ずらす」という判断
だから自然と、ヒントを少し外すことを考えるようになる。王道を諦めて、ちょっとだけ角度を変えた言葉を選ぶ。「桃太郎」に対して、「おじいさん」でも「きびだんご」でもなく、「川」を書く。それが伝わるかどうかは賭けだ。このゲームで最も悩ましいのは、「伝わる確率」と「被らない確率」を同時に計算する、この一瞬の判断だと思う。
めくる、その瞬間
全員がヒントを書き終えたら、回答者の前でイーゼルが開かれる。残ったヒントが多ければ歓声が上がり、ほとんど消えていれば笑いと悲鳴が混じる。回答者はそのわずかなヒントだけで答えを絞り込む。「犬」と「日本」だけで「桃太郎」にたどり着いたとき、テーブルが一気に沸く。失敗しても、なぜそのヒントを選んだかという話で盛り上がれる。どちらに転んでも、場が動く。
13枚、どこまで当てられるか
1ゲームで使うカードは13枚。全問正解なら13点、スキップや誤答でカードが減っていく。終わってみてスコアを見ると、「あのヒントが消えなければ」という会話が自然に始まる。何がよかったか、何が裏目に出たかを振り返るのも、このゲームの醍醐味だ。人数が多いほど被りやすく、ゲームの難しさが変わる。5〜7人で遊んだときに、このゲームの本領が最もよく出る。
何度か遊ぶうちに、「このグループなら何を書くか」という読みが生まれてくる。他の人の発想を推測しながら言葉を選ぶ感覚は、遊ぶたびに少し違う。ルードビック・ルーディとブルーノ・ソテールが設計したこのゲームは、2019年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞している。
こんな人におすすめ
- 大人数でワイワイ楽しみたい
- 協力ゲームが好き
- ボードゲームを初めて遊ぶ人がいるグループ
- 言葉遊びや連想が好き
- 家族や世代を超えた集まりで盛り上がりたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

東京の北千住にあるボードゲームカフェ&ショップ ランビーフィッシュでは、このゲームを含む700種類以上のゲームが楽しめます。ルールがわからなくても大丈夫。スタッフが丁寧に説明するので、初めてのゲームでも安心して遊べます。
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