インサイダーゲーム:上手く誘導すると、バレる

インサイダーゲーム:上手く誘導すると、バレる

4〜8人 約15分 9歳以上 対戦&協力

箱を開けると、小さな砂時計とカードの山が出てくる。ルールはシンプルだ。お題を知っているマスターに、ほかの全員で「はい・いいえ」で答えられる質問を投げかけ、制限時間内にお題を当てる。ただし——この場にいる誰かひとりは、最初から答えを知っている。そのことを誰にも気づかれないまま、議論を密かに動かそうとしている。

答えを知っているのに、知らないふりをする

インサイダー役の仕事は、答えを知らないふりをして庶民にまぎれることだ。当てた瞬間に勝ち、ではない。当てた後に始まる議論で「インサイダーだ」と指差されなければ、はじめて勝ちになる。だから答えに早くたどり着きすぎても、遅すぎてもいけない。微妙に誘導しながら、誘導していない顔をする。表向きは庶民と同じ言葉で質問しているのに、頭の中ではまったく違うことを考えている。

上手く誘導すると、バレる

インサイダーをやってみるとわかる。答えを知っているからといって、楽な役割ではない。むしろ難しい。あまりに的確な方向へ話を振れば、後で「お前、最初から知ってただろ」と言われる。かといって黙っていれば、制限時間内にたどり着けず全員敗北になる。庶民の側を勝たせつつ、自分の正体は隠す。誘導と擬装のバランスを、ずっと取り続けることになる。

正解した瞬間、空気が変わる

お題が当たると、安堵が一瞬テーブルに流れる。そして次の瞬間、全員が互いを見回す。さっきまでマスターに「動物ですか」「食べ物ですか」と一緒に質問していた相手を、今度は疑う番だ。「あの質問、ちょっと唐突じゃなかった?」「急に確信を持って答えに近づいた気がする」。協力していた時間と犯人探しの時間が、ひとつの卓の上で地続きに繋がっている。この切り替わりの落差が、このゲーム最大の山場だと思う。

砂時計が、議論を急かす

このゲームでは砂時計が二度ひっくり返る。一度目はお題当ての制限時間。二度目はインサイダーを議論する時間。どちらも目の前で砂が落ちていく。冷静に考えれば気づいたはずの違和感も、時間に押し流されて見過ごしてしまう。判断を急かす道具が、ただ卓の真ん中に置かれているだけで、場の温度がじわじわ上がっていく。

「あの質問、答え知ってたよな?」

議論の時間に頼りになるのは、それまでの会話の記憶だ。誰が最初に正解に近い方向へ話を振ったか。誰が妙に積極的だったか。誰が静かすぎたか。後から振り返ると、全部が怪しく見えてくる。さっきまで感心していた質問が、急に黒く見え始める。インサイダー本人も平気な顔で他人を疑う側に回るから、議論はどんどん混迷していく。

マスターも、議論に加わる

マスターも誰がインサイダーかを知らない。お題を決めるときに目を閉じて答えを確認させるため、誰が目を開けたのかが見えないからだ。マスターが知っているのはお題だけ。だから議論パートではマスターも一緒に犯人を探す側に回る。司会役でありながら推理する側でもあるという、不思議な立ち位置のままゲームを終える。

オインクゲームズが2016年に発表した本作は、世界で10万部を超える定番となった。短時間でルールが伝わり、人数が多いほど場が揺れる。協力したと思っていたら疑い合っていた——そういう転換を、15分で味わえる作品だ。

こんな人におすすめ

  • 短時間でワイワイ盛り上がる会話ゲームを探している人
  • 人狼は好きだが脱落して待つ時間が苦手な人
  • 4人以上で集まる機会が多い人
  • 正体を隠す心理戦が好きな人
  • ルールが軽くて、初めての人にも遊んでもらいやすい作品が欲しい人


このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

ランビーフィッシュ

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