フォーセンシズ:目を閉じて、指先で読む
アイマスクをつけて、指先で盤面をなぞる。くぼみに手を這わせて、コマの高さや穴の有無を確かめる。目の前にあるはずの盤面が、頭の中にだけ立ち上がってくる。相手も同じように、指先で世界を読んでいる。
指先で、盤面が立ち上がる
4×4のくぼんだ盤面に、コマを一つずつ置いていく。縦横斜めの一列で条件を揃えれば勝ち。ルールだけ聞けば四目並べに近い。ただしプレイヤーはアイマスクをつけている。触覚だけを頼りに、コマを選び、置く場所を決める。最初の数手は、盤面全体を触り続けることになる。今どこに何があるのか、自分がさっき何を置いたのか、頭の中の像はすぐに崩れる。それでも指先の情報が少しずつ蓄積して、目を閉じたまま盤面が浮かび上がってくる。
コマは、全員で共有する
自分のコマ、相手のコマという区別がない。ストックにあるコマを、誰でも選んで置ける。相手が置いたコマを利用して自分の列を作ることもできるし、自分が置いたコマが相手の勝ち筋を作ってしまうこともある。触っている盤面は、二人で少しずつ形を変えていく共同の風景だ。
揃え方は、ひとつではない
勝利条件は複数ある。穴のあるコマだけで揃える、穴のないコマだけで揃える、同じ高さで揃える。ここまでは四つ一列。もうひとつ、1段・2段・3段と階段状に並べる形もあり、こちらは三つ一列で成立する。コマは同じマスに重ねられるから、すでにあるコマの上に別のコマを乗せて高さを変えることもできる。狙える形が多いぶん、盤面全体で常に何かが揃いつつある。
勝ちは、自分で気づかないと成立しない
このゲームには独特のルールがある。実際に条件を満たしていても、本人が「揃った」と気づいて宣言しない限り、ゲームは続く。指先で盤面を確かめて、頭の中で列を再構成して、初めて勝ちに手が届く。目を開けて遊んでも、盤面には気づきにくい列がいくつも隠れている。見えていても、見えていないことがある。
見えないから、仕込める
指先の情報だけでは、盤面全体を一度に把握するのは難しい。この不完全さこそが、駆け引きを深くしている。相手が気づいていないだろう場所に、少しずつ勝ち筋を埋めていく。1手ごとには何気ない一手でも、2手先3手先で列がつながる形にしておく。相手が見過ごしていることを祈りながら、静かに仕込みを進める。この気配の消し方は、目を閉じているからこそ成立する。
指先で、慣れていく
遊んでいくうちに、少し前の状態からの差分だけを確かめれば済むようになる。全体を毎回なぞる必要はない。この上達の感覚が、繰り返し遊ぶほど面白くなる。原作は日本の装飾工芸家、山本光夫氏。誰とでも対等に遊べるようにという想いから生まれた作品だと知ると、この静かな駆け引きの意味が少し違って見えてくる。
こんな人におすすめ
- アブストラクトゲームが好き
- クアルトのように条件を揃えるゲームが好き
- じっくり考えるゲームを2人で遊びたい
- 視覚以外の感覚を使う体験に興味がある
- 静かに集中できる時間を楽しみたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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