フィクサー:戦線は、同時に動く。
カードを1枚、誰かに向けて出す。それだけだ。でも「誰に出すか」を決めるために、テーブル全体を見渡さなければならない。自分とは無関係に見える勝負が、じつは大きなヒントを持っている。
1vs1が、同時に起きている
フィクサーはトリックテイキングと呼ばれるゲームだが、普通のトリックテイキングとは構造が違う。
通常は全員が同じ場にカードを出して勝敗を決める。フィクサーは違う。プレイヤーとプレイヤーの間にエリアボードが置かれ、そこで1対1の勝負が個別に起きる。3人なら2か所、4人なら3か所。手番が来たら、どこか一つのエリアを選んでカードを出す。自分に関係のない場所では、自分のいないところで勝負が決まっていく。
全員が同じトリックに参加しない。これがこのゲームの出発点だ。
色が、数字を覆す
カードは「権力・金・メディア・民衆」の4色、数字は1〜9。基本的には数字の大きい方が勝つ。
ただし、同じ色同士の勝負にならなかった場合は話が変わる。色には4すくみの相性関係があり、有利な色のカードは数字に関わらず勝つ。この「クリティカル」が決まると、通常の勝利に加えて4点のボーナスも入る。
相手が同色で返せない状況を狙ってカードを出す。あえて色を崩して布石を打つ。数字だけ見ていると、気づいたら色で負けている。
負けても、選べる
勝負に負けたプレイヤーには選択肢がある。相手のカードを捨てるか、自分の手札に加えるかだ。
手札に加えれば次の勝負で使える。ただし、手元に表向きで置かれたカードと同じ色は加えられない。クリティカルで取ったカードの色は、自分がその色を持っていない証明でもある。持っていない色は、当然加えることもできない。損失を補いながら、手札の色の構成を整えていく。負けた瞬間の選択が、次の展開に直結する。
表向きのカードが、語りすぎる
クリティカルで獲得したカードは表向きで手元に置かれる。これは得点になるだけでなく、そのプレイヤーが「その色を手札に持てない」ことの証明になる。
相手の表向きカードを見れば、相手が持っていない色が分かる。どの色で仕掛けるか、どのエリアを狙うか。情報は静かに、しかし確実に積み上がっていく。
誰を、いつ狙うか
手番ごとに「どのエリアにカードを出すか」を選べる。強いカードを強い相手にぶつけるか、弱った相手を確実に仕留めるか。あえて今は動かず、他の勝負を観察するか。
自分に関係のない場所での勝負も、相手の手札を読む材料になる。左隣が同じ色を連続して出しているなら、その色の在庫は薄い。誰かが大きな数字を使い果たしているなら、そのエリアは狙い目になる。見ているだけの手番は、ない。
遊ぶほど、見えてくる
最初は「とにかく強いカードを出す」だけになりがちだ。でも何度か遊ぶうちに、色の管理、クリティカルを狙うタイミング、誰のどのエリアを先に抑えるかという判断が少しずつ形になってくる。15分というプレイ時間の短さも手伝って、もう一回という気持ちになりやすい。
こんな人におすすめ
- カードゲームの読み合いが好き
- トリックテイキングを遊んだことがある
- 短時間でも頭をフル回転させたい
- 友人と本気で対戦したい
- コンパクトなゲームに深さを求めている
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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