ワイナリーの四季:畑から、グラスへ
Share
箱を開けると、ブドウの樹のカード、コイン、ガラスのマーカー、それから季節ごとに色分けされた大きなボードが出てくる。テーマはイタリア・トスカーナ地方のワイナリー経営。両親から受け継いだ古びたワイナリーを、自分の手で復興させる。見た目の情報量は多いが、やることはシンプルだ。ブドウを植えて、育てて、ワインにして、出荷する。
春に決める、一年の段取り
各ラウンドは1年で、春夏秋冬のフェイズに分かれている。春にまずやることは、その年の手番順を決めること。「起床計画表」という共通のボードに自分のコマを置き、何番目に動くかを選ぶ。早い番号を選べば先手番が取れる代わりに、ボーナスはほとんどない。遅い番号を選べば、コイン・カード・勝利点などのボーナスが手に入るが、欲しいアクションマスを先に埋められるリスクがある。毎年この選択から始まるのが、このゲームの独特のリズムだ。
夏と冬に、コマを置く
手番順が決まったら、夏フェイズで労働者コマをボードのアクションマスに置いていく。植樹、設備の建設、ブドウの売却など、夏にできることは多い。ただし使ったコマは年末まで戻ってこない。夏に使いすぎると、冬にやりたいことができなくなる。収穫・醸造・出荷は冬のアクションだから、夏と冬のバランスをどう取るかが毎年の悩みどころになる。
ブドウは、勝手に育つ
一度畑にブドウの樹を植えれば、毎年そこから収穫できる。しかも収穫したブドウは、年末処理のたびに自動で価値が上がっていく。ワインにしてからも同様で、熟成させるほど高い価値で出荷できる。手を動かさなくても、時間が仕事をしてくれる。この設計が、ゲームに独特のゆったりしたリズムを与えている。
親方コマという、切り札
各プレイヤーは通常の労働者コマとは別に、「親方コマ」を1つ持っている。これがくせものだ。親方コマは、すでに他のプレイヤーのコマが置かれたマスにも配置できる。つまりどこでも割り込める。欲しいアクションが埋まっていても諦めなくていい。ただし1つしかないので、どこで使うかは慎重に判断することになる。
相手の動きが、気になりだす
自分のワイナリーを育てることに集中しているようで、気づくと相手のボードをちらちらと見ている。あの人は出荷が近そうだ。あのアクションマスを先に取られると困る。そういう読み合いが、ゲームが進むにつれて静かに熱を帯びてくる。派手な妨害はないが、互いの動きが確実に影響し合う。
訪問者カードが、流れを変える
秋のフェイズでは、夏季か冬季の訪問者カードを1枚引ける。このカードがときに計画を大きく変える。コインをもらえるカード、ブドウの価値を上げるカード、勝利点が直接手に入るカードなど、種類は豊富だ。順調に進めていた計画が、カード1枚で加速することがある。ゲームに程よい予測不能さを加えているのが、この訪問者カードの役割だ。
何年もかけて、ワイナリーが育つ
最初の1〜2年は、設備が整っていないから動きが地味だ。でも年を重ねるごとに、ワイナリーが形になっていく。高価値のワインが出荷できるようになり、得点が一気に動く瞬間が来る。そこまでの道筋を自分で設計して、少しずつ実現していく感覚がこのゲームの醍醐味だ。ルールの複雑さは重量級のゲームにしては控えめで、ボードゲームをこれから深めたい人にとっても入りやすい一作だと思う。ジェイミー・ステグマイアーが2013年に発表し、今も世界中で遊ばれ続けている。
こんな人におすすめ
- ワインやワイナリーの雰囲気が好き
- じっくり戦略を考えながら遊びたい
- 重量級ゲームに初めて挑戦したい
- 1〜6人とさまざまな人数で遊べるゲームを探している
- 毎回違う展開が楽しめるゲームが好き
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。
東京の北千住にあるボードゲームカフェ&ショップ ランビーフィッシュでは、このゲームを含む700種類以上のゲームが楽しめます。ルールがわからなくても大丈夫。スタッフが丁寧に説明するので、初めてのゲームでも安心して遊べます。


