シリメツレツ:その手、動かせない。
カードが配られる。扇形に広げて確認すると、欲しい組み合わせはバラバラだ。「7と7」を出したいのに、間に「3」が挟まっている。ペアを作るには、まず「3」を何とかしなければならない。シリメツレツは、そういうゲームだ。
並び替え、禁止
手札として受け取ったカードは、配られた順のまま使い続ける。並び替えは禁止だ。複数枚のカードを同時に出す場合、それらが手札の中で隣同士になっていなければならない。つまり、ペアを組みたいなら、まず隣同士になるよう状況を整える必要がある。
大富豪では手札を数字順に並べるのが当然の準備だ。それが許されないだけで、考えることがまるで変わる。
邪魔なカードが、道になる
ペアを出したい。でも間に別のカードが挟まっている。だから先にそのカードを出して、ようやく隣同士になる。邪魔なカードを処理することが、そのまま手札を整える作業になる。
「今出したいカード」より「後で出したいカードのために今動く」。この順番が逆転するのが、このゲームの中心にある感覚だ。
パスは、補充になる
カードを出せないとき、あるいは出さないと選択したとき、パスができる。パスをすると、各自の前に置かれた2枚のリザーブカードから1枚を好きな位置に手札へ差し込める。差し込む位置を選べるので、うまく使えば手札の並びを意図的に整えられる。パスは単なる「スキップ」ではなく、手札を育てる手段になりうる。ただしパスは3回でアウトになり、チップを失ってラウンド終了になる。
役の強さと、出す順番
カードは1枚か、隣同士の2〜3枚で出す。複数枚のときは「連番(1・2など)」か「同数字のペア・トリプル(7・7など)」が役になる。枚数が多い方が強く、同じ枚数なら同数字の方が連番より強く、同じ役なら数字が大きい方が強い。
強い手を作るためには手札の整理が必要で、そのためには今弱い手を出す必要があることもある。強い手を温めながら、場の流れを読む。
特殊カードの、重み
ワイルドカード(X)、ストップカード、補充カードの3種が2枚ずつ入っている。ワイルドはどの数字としても使えるため、手札の穴を埋める力がある。ストップカードは無条件でターンを終わらせ、自分が次のスタートプレイヤーになれる。
補充カードはそのターンの勝者に3枚引かせる。これが厄介なのは、うまく立ち回っている人ほど刺さる点だ。手札を減らしてきれいに整えた状態に3枚が差し込まれると、せっかく作った並びが崩れる。手札が多い相手には効きにくく、少ない相手に使うほど効果的になる。
最後の1人、にならないために
チップを失ったプレイヤーから脱落していき、最後まで残った人が勝つ。目標は「1着になること」ではなく「脱落しないこと」だ。
他のプレイヤーの手札の状況を見ながら、誰が苦しそうかを読む。あえて強い手を出して相手を追い詰めるか、自分の手札を整える優先度を上げるか——その判断がゲーム全体を通じてついてまわる。自分のことだけを考えていると、気づかないうちに追い詰められている。
何度か遊ぶうちに、手札の整え方、パスの使い所、特殊カードのタイミングが少しずつ見えてくる。このゲームが広まってから、手札を並び替えてはいけないカードゲームをよく見かけるようになった気がする。それだけ、この制約が持つ面白さは本物だったということだろう。
こんな人におすすめ
- 大富豪が好きで、もう少し考えたい
- カードを育てる感覚が好き
- 短時間で手応えのあるゲームをしたい
- 友人や家族とワイワイ遊びたい
- 運だけじゃない、判断の入るゲームを探している
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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