囚徒たちの夜:黙れば怪しい、話せばばれる
「無銭飲食なら、戦国時代にもあったと思う」。疑いを晴らそうと、囚徒のひとりが自分の答えを説明し始める。その言葉をいちばん熱心に聞いているのは、刑務官だ。囚徒たちの夜は、身の潔白を語るほど自分の罪が透けていく、少し意地の悪い推理ゲームである。
罪を一枚、伏せて受け取る
配られるのは、自分が犯した罪のカードだ。銀行強盗や公金横領のような重罪もあれば、落書きのような軽いものもある。
ただし一枚だけ、何も書かれていないカードが混ざっている。それを受け取ったのが、囚人服に着替えて紛れ込んだ刑務官だ。囚徒たちの夜で囚徒がめざすのは、この「ネズミ」をあぶり出すこと。刑務官は疑いをかわしきれば勝ちになる。
YESは、三回までしか出せない
質問カードがめくられるたび、全員が自分の罪に当てはまるかを同時に答える。「お金が目的だったか」「戦国時代にもあったか」。
NOは何度でも出せる。けれどYESは三回までで、使い切ると質問は終わる。YESを出すたびに、自分の罪の輪郭が少しずつ場にさらされていく。刑務官にとっても事情は同じだ。答えるたびに、ありもしない罪の形を描いていくことになる。
正直者ほど、答えに迷う
落書きは、お金が目的か。罪がわかっていても、答えはひとつに決まらない。真顔で考え込む大人たちの姿は、外から見るとかなり妙だ。
だからこそ、正直に答えた囚徒の回答がちぐはぐに見えることがある。刑務官が想像で出したYESより、本物の囚徒が迷った末に出したNOの方が怪しまれる。そんなねじれが、議論を思わぬ方向へ転がしていく。
刑務官の罪は、あとから決まる
質問が終わると、全員の罪のカードを集め、山札から一枚足して混ぜてから公開する。並んだ罪のうち一つは、誰も犯していない罪だ。
どれがその一枚なのかは、刑務官にもわからない。全員の答えを見比べながら、自分が名乗れそうな罪を探すしかない。自分の答えと噛み合う罪が見つかれば堂々と居座れる。見つからなければ、苦しい言い訳が始まる。
疑いを晴らすほど、手の内が透ける
議論では、囚徒は自分の答えの理由を説明して疑いを晴らそうとする。筋の通った説明ほど、罪を絞り込む手がかりになる。
刑務官は投票で見抜かれても終わりではない。公開された罪と囚徒全員の組み合わせをすべて言い当てれば、逆転勝利になる。語りすぎれば刑務官を助け、黙れば自分が疑われる。どこまで話すかの加減が、このゲームの醍醐味だ。
遊ぶほど、相手の頭の中が気になる
何度か遊ぶうちに、同じ質問でも人によって答えが割れることがわかってくる。罪の正解を当てるというより、目の前の相手がどう考えるかを読むゲームなのだと気づく。一回は20分ほど。罪のカードは50枚あり、毎晩ちがう罪を背負って夜を迎えることになる。
こんな人におすすめ
- 人狼のような、紛れ込んだ誰かを探すゲームが好き
- 議論は好きだが、途中で脱落するゲームは苦手
- 3〜6人で20分ほどで遊べるゲームを探している
- 言葉の解釈をめぐってわいわい話したい
- 推理と駆け引きを両方楽しみたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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