ナナトリドリ:手札は、育てるもの。
配られた8枚のカード。見渡しても、同じ数字がばらばらに散っている。大富豪なら今すぐ並べ替えるところだが、このゲームではそれができない。配られた順番のまま、ゲームが始まる。
手札は、並べ替えられない
ナナトリドリは大富豪に近い構造を持つカードゲームだ。場に出たカードより強い組み合わせを出し、最後まで手札が残ったプレイヤーが敗者になる。ルールはシンプルだが、最初に突きつけられるのが「手札を並べ替えてはいけない」という制約だ。複数枚のカードをまとめて出すには、同じ数字が手札の中で隣り合っている必要がある。配られたままの並びで、使える組み合わせを見つけなければならない。
回収して、差し込む
では手札をどうやって整えるか。このゲーム最大の仕掛けがここにある。カードを出した後、直前に場にあったカードを自分の手札に取り込むことができるのだ。まとめて、好きな位置に差し込める。「3」が手札に1枚しかなくても、場に出た「3」を回収して隣に差し込めば、次のターンに2枚出しが狙える。手札は最初から完成しているものではなく、回収と差し込みを繰り返して少しずつ育てていくものだ。どこに差し込むか——その判断が、ゲームの核心になる。
枚数が、数字より強い
強さの基準もひとつ覚えておく価値がある。このゲームでは数字より枚数が優先される。「7」が1枚より「1」が2枚の方が強い。つまり同じ数字を手札に集めるほど、より強い組み合わせが作れる。小さい数字でも構わない。4枚、5枚と積み上げて、一気に叩きつけるのがこのゲームの醍醐味だ。
出すか、待つか
出せるカードがあっても、あえてパスして手札を育て続けるという選択肢もある。パスのときは山札からカードを引いて、手札の好きな位置に加えられる。待てば手札は強くなるが、その間に他のプレイヤーも手札を整えている。仕掛けるタイミングが早すぎれば手札を使い切れず、遅すぎれば先に上がられる。この迷いが、短時間のゲームの中でずっと続く。
相手の出したカードも、気になる
場に出たカードは、回収するか捨てるかを自分で選べる。つまり相手にとって美味しいカードをあえて捨てて、手札を強化させないという判断も生まれる。捨て札はいつでも確認できるため、どの数字がどれだけ流れていったかも読める。自分の手札を育てながら、相手の動きも気にかけなければならない。
何度か遊ぶうちに、見え方が変わる
最初は「手札が整ってきた」という感覚を楽しめればそれで十分だ。でも何度か遊ぶうちに、どの位置に差し込むか、いつ仕掛けるか、何を捨てて相手に渡さないか、という読みが少しずつ生まれてくる。シンプルなルールの中に、遊び込むほど見えてくる奥行きがある。アークライト・ゲーム賞2022の佳作作品を全面リニューアルしたこのゲームが、ゴールデンボックス賞2023の作品賞を受賞しているのも、そうした手応えの確かさからだと思う。
こんな人におすすめ
- 大富豪や神経衰弱などのカードゲームが好きな人
- 家族や友人と短時間でさくっと遊びたい人
- ボードゲームをはじめて遊ぶ人
- シンプルなルールの中に判断の面白さを求める人
- 子どもから大人まで混ざって遊びたいグループ
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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