もっとホイップを:切った人が、最後に選ぶ。
伏せたタイルを1枚ずつめくり、円を描くように並べていく。イチゴ、抹茶、マロン。11切れが揃うと、ひとつのホールケーキになる。もっとホイップをは、このケーキを人数分に切り分けるゲームだ。ルールは数分で伝わる。それでも、もっとホイップをで一番悩むのは、選ぶ人ではなく切る人になる。
ナイフを持つ人が、いちばん悩む
切り分け係は、並んだケーキを人数分のピースに分ける。並び順は動かせない。決められるのは、どこに線を引くかだけだ。どのピースにも、最低1切れは入れなければならない。
選ぶのは切り分け係の左隣から。切った本人は、最後に残ったピースを受け取る。小さく切りすぎた一切れは、だいたい自分の皿に戻ってくる。
等分しても、公平にはならない
ケーキは種類ごとに価値が違う。しかもその価値は、見る人によって変わる。
チョコレートは全部で11切れあり、ゲーム終了時に一番多く持っている人へ11点が入る。チョコを集めている人にとって、その1切れは11点への足がかりだ。集めていない人にとっては、ホイップ数個分の点にすぎない。
だから切り分け係は、大きさで切らない。誰が何を欲しがっているかで切る。欲しがる人が二人いるケーキを同じピースに入れない。あえて大きなピースを作って一人を満足させ、本命の一切れを最後まで残す。「人数分に分ければいい」と思っていた人ほど、最初の一本で手が止まる。
食べるか、とっておくか
取ったケーキは、一切れずつ「食べる」か「とっておく」かを決める。食べれば、描かれたホイップの数がそのまま得点になる。とっておけば、その種類を一番多く集めたときに大きな得点が入る。ただし一番になれなければ、何点にもならない。
確実な小さい点と、他人次第の大きい点。同じピースの中でも、マンゴーは食べてチョコは残す、という分け方ができる。ピースを受け取るたびに、小さな算段が始まる。
集めるほど、狙いが見えてしまう
とっておいたケーキは、表向きで自分の前に並ぶ。何を集めているかは全員に筒抜けだ。
切り分け係はそれを見て線を引く。そのケーキを欲しがる人が先に選べないように。あるいは、二人が同じピースを奪い合うように。集めれば集めるほど、ナイフの向きが自分に向いてくる。終盤には、誰も集めていない種類を見つけて1切れだけ確保する、という静かな一手も生まれる。
食べた点数は、伏せられている
食べたケーキは裏向きにして、ゲームが終わるまで表に戻さない。何切れ食べたかは見えても、ホイップがいくつだったかはわからない。
表では集めたケーキの争いが続き、裏ではホイップが黙々と積み上がっていく。誰が勝っているのか、最後の集計まで正確には読めない。
遊ぶほど、線が重くなる
全5ラウンド、切り分け係は順番に回ってくる。最初は、どこで切っても大差ないように感じるかもしれない。何度か遊ぶうちに、相手の皿を見て、次に選ぶ人の顔を思い浮かべてから、ようやく一本の線を引くようになる。ケーキを切るのがこんなに難しいことだったのかと思う。それでも次の11切れが並ぶと、また身を乗り出してしまう。
こんな人におすすめ
- 20分ほどで終わる駆け引きのゲームを探している
- ルールはシンプルに、悩ましさはしっかり欲しい
- 相手の考えを読むのが好き
- 2〜5人で気軽に囲めるゲームが欲しい
- かわいい見た目のゲームを家族や友人と遊びたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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