コトバーテル:綴るのではなく、似せる

コトバーテル:綴るのではなく、似せる

4〜6人 約10〜20分 6歳以上 チーム戦

「カブトムシ」を作りたい。でも手札に「カ」がない。
コトバーテルは、そんな場面から始まる。5文字の言葉を、向かいに座った味方に当ててもらうチーム戦だ。やることは単純に見える。文字を5枚並べて、言葉を作るだけ。ところがコトバーテルでは、その「ただ並べる」が、ほとんどできない。

正しい文字は、たいてい来ない

配られるのは7枚の文字カード。この中から5枚を選んで、お題の言葉を組み立てる。
だが、欲しい文字はまず揃わない。「カブトムシ」の「カ」がなければ、近い文字で代わりを立てるしかない。母音の同じ文字を置く。濁点や促音の位置だけは正確に示す。そうやって、本物ではなく「本物に似た何か」を作っていく。綴るゲームのつもりが、いつのまにか「似せる」ゲームになっている。

母音をそろえて、輪郭を伝える

ぴたりと狙いの文字を置ける時もある。だが、たいていは近づけるだけだ。
同じ文字が二回出てくる言葉なら、代用の文字も二回繰り返して置く。濁点のある場所をはっきりさせる。一文字も正解していなくても、母音の並びと音のリズムが合っていれば、相手の頭の中で言葉が像を結ぶことがある。文字そのものより、言葉全体の「形」を渡す感覚に近い。

「ここは合っている」を渡すカード

手元には、ヒントを補強する特殊カードもある。
ある文字に付けて「この字は確かだ」と示すもの、母音が合っていると伝えるもの、子音の行が合っていると伝えるもの。似た文字でぼかして伝えるなかに、確かな手がかりを一つだけ差し込める。どこをあいまいに残し、どこを確定させるか。限られた手札で、その配分を考えることになる。

自分も作り、相手も読む

このゲームがせわしないのは、作ると当てるを同時にやるからだ。
自分の言葉を組み立てながら、対角線に座った味方が並べた文字を横目で読む。あれは何の言葉だ。母音はア段が続いている。あの位置の濁点は——と考えているうちに、自分の手番が来る。しかも勝負は相手チームとの競争で、先に二人とも当てたほうが勝つ。のんびり考えている時間はない。

声に出したら、ほぼ反則

作りかけの言葉を読み上げてしまえば、一発で伝わる。だからそれは避けるのが暗黙のルールだ。
頼れるのは、テーブルに並んだ文字だけ。表情やうなずきで多少の空気は伝わるとしても、核心は文字の置き方に賭けるしかない。外から見れば、数人が黙って五十音とにらめっこしている静かな時間だ。当人たちは、かなり必死だが。

「あっ」と通じる瞬間

つぎはぎの文字列が、ある瞬間に本物の言葉へ変わる。
相手が「これ、カブトムシ?」と言い当てた一言で、ずれていた文字の意味が一気にそろう。あの手応えのために、もう一度並べ直したくなる。遊ぶたびに、似せ方も読み取り方も少しずつうまくなっていく。うまく伝わらなかった悔しさが、次の一回を呼ぶゲームだ。

こんな人におすすめ

  • 言葉遊びやクイズが好き
  • 大人数(4〜6人)でわいわい遊びたい
  • 仲間と「通じた」という一体感を味わいたい
  • 短時間で何度も遊べるゲームを探している
  • 推理と表現を同時に楽しみたい

このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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