ドデリド:たった3枚なのに、頭が止まる
カードを1枚めくって、場に置く。それだけのことなのに、なぜか口がうまく動かない。3枚のカードを見比べて、多い方の色か動物を言う。ルールはほぼそれだけ。だが、いざ自分の番になると、知っているはずの言葉が出てこなくなる。
多い方を、言う
各プレイヤーは配られたカードを裏向きの山札にし、自分の手番で一番上の1枚をめくって場に出す。場には3つの山があり、そこに時計回りで順番に置いていく。出した瞬間、3枚を見比べて、動物の種類か色のうち多い方を宣言する。「ペンギン」「黄色」。たったそれだけ。なのに、これが思っているより難しい。
両方が同点なら、「ドデリド」
このゲームの核心は、動物も色も同じ数で並んだときにある。たとえば動物がペンギン2枚・ラクダ1枚、色が緑2枚・ピンク1枚。多い方を1つだけ選ぶことができない。そんなときは「ドデリド」と発する。「ペンギン」とも「緑」とも言ってはいけない。頭の中にはすでに「ペンギン」が浮かんでいる。それを飲み込んで、無関係に聞こえる言葉を口から出す。この一手間が、想像以上にひっかかる。
カメには「オー」、ワニには手のひら
ここに2種類の特殊カードが加わる。カメが場に出ているときは、宣言の前にカメの数だけ「オー」と言わなければならない。「オー、ペンギン」「オー、オー、ドデリド」。のろまなカメに引きずられるように、口がもたつく。
ワニが場に出たら、全員でそのワニカードを叩く。一番遅かった人が場のカードを引き取る。ここだけは反射神経の勝負になり、場の空気が一瞬で変わる。
間が空けば、アウト
宣言に明確な制限時間はない。早押しでもないから、自分のペースで考えてよい。だが「もたついた」と感じられた瞬間にアウトになる。動物を数え、色を数え、両者の多少を比べる。さらにカメがいれば「オー」を足す。考えているうちに、頭の中の絵が崩れていく。「えーと、ペンギンが……」と言いかけた時点で、もう周囲は失敗と判定している。
わかっているのに、口が回らない
このゲームの不思議なところは、ルールを完全に理解しているプレイヤーでも普通に間違える点だ。「ペンギン」と頭で思っているのに、口からは「黄色」が出ている。「ドデリド」と言うべき場面で、つい「ペンギン」と言ってしまう。さっき他人の失敗を笑っていた人が、次の自分の手番でまったく同じ顔をして同じ間違いをする。そして同じように山札を太らせる。
失敗は、自分に返ってくる
間違えた人は場のカードを全部回収して、自分の山札の下に加える。これが減点方式として効いている。同じデザイナーの「おばけキャッチ」が早押しの加点方式なら、こちらは正確さを問う減点方式。瞬発力よりも、頭の整理が問われる。だから反射神経に自信がなくても勝負になりやすい。何度か遊ぶうちに、色を先に数えるか動物を先に数えるか、自分なりのコツが見つかってくる。ジャック・ゼメが2016年に発表したこの作品は、翌年のドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに選ばれている。
こんな人におすすめ
- 短時間でわっと盛り上がるゲームが好き
- ルール説明に時間をかけたくない
- 「おばけキャッチ」が好き
- 大人数(〜6人)で遊べるゲームを探している
- 大人から子どもまで一緒に遊びたい
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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