ディッコリーと魔女の時計:強さは、動く。

ディッコリーと魔女の時計:強さは、動く。

2人専用 約15分 10歳以上 対戦

場の右端に、2が置かれている。この瞬間、いちばん強い数字は2だ。手札の中の1や12も、それに次いで強い。ふだんの感覚が、少し狂う。ディッコリーは、そういうゲームだ。

いちばん強い数字は、場が決める

このゲームは大富豪に似ている。手札からシングル・ダブル・トリプル・クアドラプル・3枚連番のどれかを出し、相手はそれより強い役で上回る。先に手札を出し切った方が勝ち。ここまではよくある構造だ。

違うのは、数字の強さが固定されていないことだ。場に横一列に並んだ6枚のカード、その右端の数字が「その瞬間の最強」になる。右端が2なら2が最強、1が次に強い、12がその次、と時計の針を戻すように順番が続く。手札の意味は、場の右端によって決まる。

列からカードを取ると、並びが変わる

より強い役を出せないときの選択肢のひとつが、場からカードを取ることだ。右端から1〜5枚まで、続けて自分の手札に加えられる。取ったあとは新しい右端が最強になる。つまり、自分に都合のいい数字が右端に来るように、場をずらす。

さっきまで最強だった2は、手札の中でただの弱いカードに変わる。逆に、手札に3枚もっていた7が、突然いちばん強い数字になる。取った瞬間に、盤面全体の意味が書き換わる。

取るからには、上回る

列から取ったあとは、必ず直前の役より強い役を出さなければならない。出せなければ、そもそも取れない。だから場を動かす判断は、動かした後に何を出せるかとセットで考えることになる。

数字の並びを書き換える権利は、いつでも使えるわけではない。手札の形と、場の並びと、直前の役。この三つが噛み合う瞬間だけ、強さを組み直すことが許されている。

パスも、場を動かす

どうしても役を出せず、取ることもできない。そのときはパスを宣言する。パスをすると場の右端が捨てられ、山札から新しいカードが左端に補充される。場を動かす、もうひとつの方法だ。

パスは負けを意味しない。捨てられた右端の下にあった数字が、新しい最強になる。次に自分に手番が回ってきたとき、状況は変わっている。パスの後に主導権が戻ることは、決して珍しくない。

相手の思惑は、場に滲む

場の並びは共通の情報だ。相手がどの役を出したか、何を取ったか、何をパスしたか。それらを見ていれば、相手がどの数字を強くしたいのか、どの数字を持て余しているのかが少しずつ透けてくる。

2人しかいないから、駆け引きの相手はひとりしかいない。相手の思惑を読み、こちらは別の右端をつくる。ちいさな場の上で、静かな読み合いが続く。

短くて、繰り返し遊びたくなる

1ゲームは15分ほど。3回戦を先取するのが公式の楽しみ方だ。運の要素はある。だが、場の並びを自分で組み替えられる分、同じ手札からでも別の道筋が見えてくる。

数字の強さを固定して考える癖が、少しずつ外れていく。何度か遊んだ頃には、右端の数字を見た瞬間に手札の価値が組み変わって見えるようになる。奇妙な感覚だ。

こんな人におすすめ

  • 大富豪の構造は好きだが、変奏を楽しみたい人
  • 2人でじっくり遊べる短時間のカードゲームを探している人
  • 場の情報から相手を読むタイプのゲームが好きな人
  • 可愛い見た目の裏にひねりのある作品を好む人
  • 15分で決着がつく対戦ゲームを繰り返し遊びたい人

このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

ランビーフィッシュ

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