ボーナンザ:要らないものが、ちょうどいいになる。
手札を5枚配られた瞬間、普通なら同じ種類をまとめて並べ直す。でもこのゲームでは、それが禁止されている。受け取った順番のまま、カードは動かせない。その一つのルールが、テーブルの上で不思議な交渉を次々と生み出していく。
畑は2種類だけ
各プレイヤーは2つの畑を持ち、1つの畑には1種類の豆しか植えられない。豆はたくさん集めるほど高く売れる仕組みで、できるだけ枚数を積み上げてから売りたい。でも畑が2種類しかないから、すぐに詰まる。3種類目の豆を植えようとすれば、育てかけた畑を手放さなければならない。少ししか育っていない豆を売っても、得られるお金はわずかだ。
手札は、動かせない
このゲームの核心はここにある。手札の順番は変えてはいけない。カードは常に先頭から出し、引いたカードは最後尾に加えていく。だから次に植えなければならない豆が、自分の畑と全然合わない種類だということが頻繁に起きる。欲しくもない豆を無理やり植えれば、育てていた畑を犠牲にするしかない。どうにかしたければ、他の誰かに話しかけるしかない。
「これ、要りませんか?」
ほとんどの交渉ゲームは、欲しいものを手に入れるために動く。ボーナンザの交渉は方向が少し違う。「この豆、要りませんか」「タダでいいので持っていってください」。自分の邪魔なものを、誰かに活用してもらうことが出発点になる。でも声をかけてみると、「あ、それちょうどほしかった」と返ってくることが多い。お互いの利害が自然と一致していく。だから対戦ゲームなのにギスギスしない。少しずつ得をしながら豆を動かしていく、穏やかな空気がテーブルに漂う。
場の2枚は、誰かが引き取る
手番プレイヤーは山札から2枚めくり、表向きで場に出す。この2枚は、交渉で誰かに引き取ってもらうか、引き取り手がいなければ自分が植えるしかない。自分の手番ではなくても、全員が交渉に参加できる。だから誰かの手番中も、「その豆、ちょうどほしかった」「それならこちらを渡すから交換しない?」と声が飛び交い続ける。ゲームが止まらないのは、そのためだ。
得点は、最後まで見えない
豆カードの裏がそのままコイン(ターラー)になる。売るときに裏返して使うため、誰が何枚稼いでいるかは表情や雰囲気から察するしかない。自分がリードしているつもりでも、終わってみると逆転されていた、ということが普通に起きる。でも不思議と悔しくない。穏やかな交渉が続いたゲームは、負けても後味が軽い。
何度か遊ぶと、見えてくるもの
最初は「とにかく植えて売る」だけで手一杯になる。少し慣れてくると、稀少な豆(枚数の少ない種類)を早めに集めれば少ない枚数で高く売れること、交渉で先を読んだカードを引き取っておく動き方があることに気づいてくる。ほのぼのした空気の奥に、静かな読み合いが潜んでいる。ウヴェ・ローゼンベルクが1997年に発表したこの作品は、同年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。小さな箱に、長く遊べる理由が詰まっている。
こんな人におすすめ
- 交渉や会話が楽しいゲームが好き
- ギスギスしない、和やかな雰囲気で遊びたい
- 家族や友人と、短い時間でサクッと楽しみたい
- じっくりカードゲームを初めて遊ぶ人
- 見た目がかわいいゲームが好き
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

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