いかさまゴキブリ:イカサマしないと、勝てない。
カードを袖に隠す。膝の上に落とす。2枚を1枚のふりをして場に出す。普段のゲームなら出禁になりそうな行為が、このゲームでは推奨される。ルールブックがイカサマを命じてくるカードゲーム、それが「いかさまゴキブリ」だ。
ルールは、ウノに近い
基本のルールはシンプルで、場札の数字に対して±1のカードを出していくだけ。たとえば場札が「3」なら、出せるのは「2」か「4」のカードだけ。手札を最初になくした人が勝ちになる。
ここまでなら、よくあるカードゲームだ。問題は、自分の手番で出せるカードが手札にない時に起こる。出せない、引かない、けれど手札は減らさないといけない。普通のゲームなら詰みかけだが、このゲームには別の道が用意されている。
出せないカードは、消してしまえ
手段は問わない。袖の中に滑り込ませる。テーブルの下にこっそり落とす。2枚を重ねて1枚のように見せかけて場に出す。何でもいい。バレなければ、手札は確実に減る。
最初は誰もが躊躇する。「いいの?本当に?」と確認しながら、おそるおそる1枚を手首の下に隠してみる。誰にも気づかれずに手札が減ったと分かった瞬間、何かのスイッチが入る。気がつくと、隠す場所を探して周囲を見回している。
警備虫が、目を光らせる
野放しではない。プレイヤーの一人は「警備虫」カードを目印に持ち、他人のイカサマを監視する役を担う。怪しい動きを見つけたら、その場で指摘する。
指摘が当たれば、隠したカードは手札に戻る。そしてイカサマがバレた本人が、今度は警備虫になる。立場が入れ替わるのだ。それまで監視されていた側が、急に監視する側に回る。手札を減らすチャンスを失ったうえに、しばらく自分はイカサマができなくなる。痛い。
監視と、いかさまの均衡
警備虫を担当している間、自分はカードを隠せない。だから誰かに警備虫を押し付けたい。けれど指摘を外せば、警備虫がペナルティを受ける。指摘するタイミングも、見送るタイミングも、簡単ではない。
一方のイカサマする側も、警備虫の視線がどこを向いているかを常に気にすることになる。視線が外れた一瞬を狙う。話しかけて気を逸らす。場に動きがあって全員が注目している瞬間を待つ。手元のテクニックよりも、空気を読む力が問われる。
背徳感が、癖になる
公式ルールに従っているのに、悪いことをしている気分になる。この感覚はなかなか他のゲームでは味わえない。テーブルの下にこぼれ落ちたカードの山を見て、全員で笑ってしまう瞬間がある。
このゲームをデザインしたのは、ボードゲーム作家夫妻インカ&マルクス・ブラントの子どもたち、エメリーとルーカス。子どもの「これもアリにしたら面白いんじゃない?」という発想が、そのままゲームになった一作。ボードゲームの常識を一つだけ、静かにひっくり返している。
こんな人におすすめ
- パーティーゲームが好き
- ちょっと変わった仕掛けのカードゲームを探している
- 家族や友人と気軽に盛り上がりたい
- 「普段やってはいけないこと」をしてみたい
- ルールを覚えるのが苦手な人にも勧めやすい一作を探している
このゲーム、気になったらぜひ実際に遊んでみてください。

東京の北千住にあるボードゲームカフェ&ショップ ランビーフィッシュでは、このゲームを含む700種類以上のゲームが楽しめます。ルールがわからなくても大丈夫。スタッフが丁寧に説明するので、初めてのゲームでも安心して遊べます。
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